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2023.12.18
2023.10.25
就労継続支援B型事業所で働く職員の悩みを調査!すぐに取り入れられる対処法も紹介
ミライクス編集部にて、就労継続支援B型事業所で働く職員の方々に、仕事上の悩みに関するアンケートを行った結果、以下のような回答が多く集まりました。
- 精神的な負担が大きい
- 業務量が多い
- 収入が低い
この記事では、当サイトで行った調査をもとに、就労継続支援B型事業所で働く職員の方々の悩みや、それぞれの対処法について紹介します。
目次
就労継続支援B型で働く職員の悩みとは?
改めて、ミライクス編集部で調査した就労継続支援B型で働く方々の悩みをまとめると、以下のような内容でした。
- 精神的な負担が大きい
- 業務量が多い
- 収入が低い
- 仕事内容のミスマッチ
それぞれの内容について、どのような悩みがあるのか、アンケートで寄せられた生の声とともにご紹介します。
精神的な負担が大きい
就労継続支援B型は、利用者にとっては障害や疾病の特性、体調などに合わせて無理なく働ける点がメリットです。
しかし、知的・精神障害がある利用者の方が多い事業所では、施設での作業中に突然情緒が乱れてしまうなど、症状に波が出やすい面もあります。
利用者の様子を見て「不調は自分のせいなのではないか?」「どのように接したらいいのか?」と悩んでしまう職員の方もいるようです。
アンケートに寄せられた、生の声をご紹介します。
現場で作業する障害者のフォローや援助が必要であるため、非常に精神力を使います。
(40代男性/生活支援員)
就労継続支援B型のため、知的障害が軽度の方が多く、コミュニケーションを取りやすいと最初の頃は感じていました。
しかし、こちらの話すことが分かっていても、それを受け入れることができず、結果不安定になる方も多いため、伝え方について悩むことが多いです。
(30代女性/生活支援員)
言葉を喋れる利用者がほとんどで、やり取りに疲れたり、情緒が崩れた時などの対応で、精神的に来た時がありました。
(20代男性/生活支援員)
上司に利用者さんに対しての態度が甘い、もっと厳しく接することと言われたこと。
悪いことをしていたら注意はするが、接し方について悩んでいる。
(30代女性/職業指導員)
業務量が多い
就労継続支援B型の人員基準では、利用者の直接支援を行うのは職業指導員、生活支援員です。
職業指導員は、施設の商品やサービスの内容に応じて、活動に必要な知識や技術、作業手順などを利用者に指導します。
生活支援員は、利用者が施設を利用しているときは作業のサポートを行い、他にも利用者の健康管理指導や生活相談を担います。
職業指導員も生活支援員も、業務範囲が広いうえに人手不足の現場もあり、アンケートでは業務量の多さを悩みとして挙げる職員の方々も多くいました。
業務量が多いことで気持ちに余裕がなくなってしまうこともあるようです。
以下、アンケートで挙がった実際の声です。
交代制ではありましたが主に生活支援をしていましたが人手が足りずに募集してもこなく、一人当たりの業務の負担がきつく夜勤などもあったので疲れてしまいました。
(30代男性/生活支援員)
支援の大変さに加えて業務量も多く、気持ちに余裕が持てず苛立ってしまうこともあります。そんな自分に嫌気がさすこともあり、落ち込んでしまうことも多いです。
(30代女性/生活支援員)
やりがいをもって取り組むが、利用者が作業に取り組みやすい環境づくりや準備、作業中の指導、個別に対応しつつトラブルにもすぐに対応しなければならないなど。一般企業で働くよりも負荷が大きい。
(40代女性/職業指導員)
収入が低い
職業指導員(常勤)の方の平均給与額(月額)は28万8,730円、生活支援員(常勤)の平均給与額(月額)は32万9,280円です(※)。
「福祉・介護職員」全体の平均給与額(月額)は31万7,080円となっています。
障害福祉サービス等従事者全体の平均給与額は34万1,490円で、それと比べると職業指導員も生活支援員も低い給与で働いているためか、収入が低いことで悩んでいる職員の方々もいました。
人手不足のため職員1人で7〜8人のケースを持ったり、ケース以外にも作業や余暇などの調整があり、単純に業務が多いです。それをこなす時間が日中は確保できず、結果残業になることもあります。その分手当などで収入が上がればいいのですが、それもなく…。
(30代女性/生活支援員)
一般企業で働くよりも負荷が大きい。その割に給料が安く、生保受給者よりも低い時があった(新人期、カレンダー通りの勤務)。
(40代女性/職業指導員)
経営に携わっている方からは、経営主体による差やキャリアパス制度が導入されていない実情も指摘されました。
ビジネスモデルが補助金でお給料が出にくい。株式会社や経営が安定している社会福祉法人では公務員に準じるレベルのところもあるが、NPOなどではあまり上げられないケースも見られる。キャリアアップの手段があまりない。
(30代男性/経営)
※福祉・介護職員等特定処遇加算を届出している事業所の場合。平均給与額は、基本給+手当+一時金(4〜9月支給金額の1/6)により算出。また、10円未満を四捨五入している
出典:「令和3年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査結果」(厚生労働省)
仕事内容のミスマッチ
就労継続支援B型で働く方のなかには、大きく分けて2つのタイプの方がいます。
- ノウハウやスキルを獲得してビジネスモデルを学びたいと考えている方
- 利用者にしっかりと向き合って支援をしたいと考えている方
事業所によって、経営方針やカラーがさまざまなので、仕事を始めてからミスマッチを感じてしまう職員の方もいるようです。
上司に利用者さんに対しての態度が甘い、もっと厳しく接することと言われた。上司のやり方に反発したい気持ちもあるが、雰囲気が悪くなるので我慢して指示に従っている。
(40代女性/職業指導員)
ギャップが強くて合っていないなと思う人もいるので、アンマッチが起こらないようにホームページなどでどんな施設かが見えるようになると良いと思う。
(30代男性/経営)
職員が施設でミスマッチを感じることのないよう、経営者の配慮、工夫が求められるところです。
就労継続支援B型で働く職員の悩みの対処法は?
就労継続支援B型で働く職員の方々のさまざまな悩みをご紹介してきました。
では、みなさんは悩みをどのように解消しているのでしょうか?
アンケート結果では、以下のような対処法が挙げられました。
- 人に話す
- 趣味に没頭する
- 上司に相談する
- 視座を上げる
人に話す
悩みを人に話して、ストレス解消の効果を感じた経験のある方も多いのではないでしょうか。
就労継続支援B型事業所に勤める職員の方々も、同僚に悩みを相談して心を整理しているようです。
職場の人間関係が良好で、仲間が心の支えになっている方もいます。
違う部署の方が来た時や研修で同じ業界で働いている方にお会いしたときに、情報共有したり、悩みを話すことで頭の中の整理をつけた。
(30代女性/職業指導員)
同僚にさまざまな事を相談しました。食品工場におけるB型でしたので、非常に苦労しました。
(40代男性/生活支援員)
職場の人間関係が良いため、それに救われています。
日中大変だったことや逆に良かったエピソードなどを話して、職員間で共有できることにとても支えられています。
同じように大変な思いをしながら皆働いているため、お互いを戦友のように思っています。
誰とも共有できていなければ、ここまで仕事を続けられていなかったです。
(30代女性/生活支援員)
趣味に没頭する
職場を離れ、趣味に没頭する時間を持つことでリフレッシュできるという方もいらっしゃいました。
プライベートでは漫画を読む趣味があるので、それに没頭しているといつの間にか漫画の世界に引き込まれ、仕事で嫌だったことを忘れることができています。 そうしてリセットしながら頑張っています。
(30代女性/生活支援員)
また、スキルを身につける勉強に没頭し、未来へ向かってモチベーションを上げることで気持ちを切り替えるという前向きな声もありました。
しんどいときは今の仕事絶対辞めると言いながら、違うスキルを身につけている。
(20代男性/生活支援員)
自分自身としてはさまざまなことをしているのですが、例えば今の職場の経験を他のことに活かすことを考えたりすることによって将来を見据えて行動してみたり、人に悩みを話したり、ストレス発散のために運動をすることで少しでも悩みを緩和をするようにしています。
(40代男性/生活支援員)
上司に相談する
上司に相談し、解決策を見つけ出す努力をしているという声も挙がっています。
上司に相談したら、利用者さんの様子は、担当制にせず、みんなで見守っていこうということになった。
(40代女性/生活支援員)
すべての職場が、上司に相談しやすい環境とは限らないかもしれません。
しかし上司が話しやすい方であり、親身になって解決策を一緒に考えてくれる職場であれば、職員の方々の悩みも減っていきそうです。
視座を上げる
目の前の仕事について悩みがあるときには、少し物事の見方を変えてみると解決に向うことがあります。
例えば、就労継続支援B型事業所では利用者が離脱してしまうケースもあるでしょう。
「どうしたら良いのだろう」と悩んでしまいがちですが、経営に携わっている方からは視座を上げて捉え方を変えてみると良いのではないかとアドバイスがありました。
長く利用してもらうことが利用者さんにとって一番良いことではない。
就職にチャレンジしてもらうなど、良いフローが流れている施設づくりを意識した。
(30代男性/経営)
お手本にしたいと思える人と話をすることも視座を上げる方法の一つです。
仕事のしがらみがなく、本音の話が聞ける相手であれば、自分とは違った視点でアドバイスや具体的な解決案を示してもらえるかもしれません。
もし、身近にロールモデルがいない場合は、視座の高い意見を発信している人の本を読んだり動画配信を観たりするのもいいですし、オンラインサロンや勉強会を活用するのもおすすめです。
物事を俯瞰的に捉えられるようになれば、自分の仕事が社会にとってどのような意味を持っているのかも理解できるようになるでしょう。
結果、仕事の優先順位もつけやすくなり、時間や労力を効率的に使えるようになるはずです。
就労継続支援B型の開業支援ならミライクス
就労継続支援B型事業所の経営において、職員の離職は命取りともいえます。
なぜなら、マンパワー不足を補うために経営者が現場スタッフとしてフル回転しなければならなくなると、本来の経営業務がおろそかになってしまいがちだからです。
福祉業界は人材不足が問題となっているため、職員が辞めたからといって、すぐに新しい人材が見つかるとは限りません。
そのため、事業所としての理念を持つことや職員にその理念を浸透させること、社員教育をきちんと行うことは安定した運営のために欠かせないのです。
ミライクスの「就労継続支援B型実践講座」では、約半年間の集合研修を通じて、人材採用のノウハウや成功方法も再現性高くお伝えしていきます。
開業後のロイヤリティもありません。
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調査対象:
(1)職業指導員として働いたことのある方10名
(2)就労継続支援B型で働いたことのある方10名
調査時期:
(1)2022年11月
(2)2023年3月
調査委託先:クラウドワークス