事業を準備する
2022.11.9
2023.6.26
福祉施設を開業するとき、フランチャイズとコンサルのどちらがいいか
しかし、福祉施設の開業には行政への申請手続きや有資格者の採用など、わからないことが数多くあるため、開業に踏み出せない方もいらっしゃいます。そこで本記事では、福祉施設の開業ノウハウについて、フランチャイズ・コンサルそれぞれのメリット・デメリットを交えてお伝えします。
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目次
福祉施設の開業方法
福祉施設の開業方法には、主に以下4つの方法があります。
- 自分で調べて開業する
- 行政書士などに開業申請を委託する
- フランチャイズに加入する
- 福祉事業の専門コンサルに相談しながら開業する
福祉施設を開業するためには、さまざまな準備や知識が必要です。放課後等デイサービスやグループホーム、就労支援施設など、福祉施設の種類によって、必要な設備や人員、資金も異なります。これらの条件を踏まえて自分に合った開業方法を見つけることが重要です。
上記の開業方法4点について、それぞれ解説します。
1.自分で調べて開業する
自分で調べて開業される方には、マネジメント経験者も少なくありません。申請手続きや物件探しなど、さまざまな要件を自分で調べて進めていく知識と行動力が必要になるためです。
経営・営業企画経験者や管理職経験者、店舗経営者、あるいは自社企業を持つ経営者などの有識者であれば、自分で調べて開業する方法に向いているといえるでしょう。特に、人材採用や離職対策など、福祉施設において人材の確保は必須なため、マネジメント経験は役立ちます。
2.行政書士などに開業申請を委託する
行政書士などの士業に委託すると、各種申請書類を確実に作成してくれます。行政書士とは、都道府県庁や市・区役所など、官公署に提出する書類の作成を専門とする行政対応のプロフェッショナルです。士業に委託すれば、手間のかかる申請書類の手続きを効率よく行えます。
ただし、各士業には専門分野があるため、基本的には、開業後を含む全てのサポートに対応しているわけではありません。開業資金については税理士、法人化については司法書士、官公署に申請する書類については行政書士など、別々に委託するか、自分で実行する必要があります。
稀に、福祉事業を専門に取り扱っていたり、自身で福祉施設を運営したりする士業も存在しますが、多くはありません。業務の一部を委託したい場合には、士業に相談するとよいでしょう。
3.フランチャイズに加入する
フランチャイズに加入して福祉施設を開業すれば、未経験者でも開業のプロセスを効率的に進行し、事業運用がしやすくなります。開業に必要なノウハウを持ったコンサルタントが在籍しており、物件や採用などのサポートシステムがあるからです。
開業後に役立つプログラムや請求システムがある場合も多く、リスクを抑えて事業を運営できます。有名なフランチャイズは、既に多くの方に認知されているブランド力や経営モデルがあるため、利用者を集めることに苦労することなく安定した運営が可能です。
フランチャイズは効率的に開業できる方法の1つで、早く開業したい方にはおすすめですが、次の3点には注意が必要です。
- 開業後の月々のロイヤリティ・加盟金の支払い
- 開業エリアのルール
- 運営に関する制約(縛り)
フランチャイズに加入すれば、当然、指定されたルールを守り、パッケージを利用した一定の対価(ロイヤリティ)を支払わなければなりません。例えば、開業エリア範囲、利用者の料金体系、サービス内容などが指定されている場合があります。フランチャイズのブランドイメージを守るため、制限が設けられているのです。
そのため、自分の理想があり、他と差別化した福祉施設を開業したい方にはおすすめできません。また、利益の有無にもかかわらずロイヤリティは発生するため資金力も必要になります。フランチャイズを利用する際、これらのメリット・デメリットを理解し、各フランチャイズのパッケージ内容を確認したうえで検討しましょう。
4.福祉事業の専門コンサルに相談しながら開業する
福祉施設を開業する方法の中で最もバランスの良いとされるのが、専門コンサルティングを活用しての開業です。福祉事業の専門コンサルティングは、開業や運営に必要なプロセスをサポートします。
例えば、開業や運営に必要なマニュアルによる申請の効率化や個別セッションでの課題の把握、施設見学などの研修システム、ホームページ制作など、さまざまな課題に対して多様な方法を用いて解決に導きます。
中には、申請代行ができる行政書士など、専門家との連携、または紹介をしてくれるコンサルティングサービスもあり、専門的な部分も的確なサポートが可能です。ロイヤリティやルールの縛りがあるフランチャイズとは異なり、理想の福祉施設を実現すると共に、高い収益性を目指せます。
一方で、一部のコンサルティングには、よくない口コミや噂も耳にすることがあります。
「今後も高齢化が進むため安定した収益が得られる」「助成金があるから小資金からスタートできる」などと勧められ、コンサルティングに高額な費用を支払ったにもかかわらず、具体的な施策はなく、結局自力で進めていくことになったというケースもあります。そのため、コンサルティングを利用する際は見極めが重要です。
よいコンサルティングの見分け方
よいコンサルティングを見分けるには以下の点に注意が必要です。
- サポート体制は十分か
- 業界に精通しているか
- デメリットも説明してくれるか
- すぐに融資の話を持ちかけてくるときは要注意
それぞれについて解説します。
1.サポート体制は十分か
コンサルティングは福祉施設を開業・運営を成功に導くパートナーです。よいコンサルティングを見分けるには、儲かるといった抽象的な内容ではなく、儲かる根拠となるサポート体制の充実度を確認しましょう。実際にコンサルティングで提供されるサポートには以下のようなものがあります。
開業まで最適かつ再現性のある手順を理解し、明確なリストとなっているかが重要です。法人設立から開業準備、指定申請、事業運営、事業展開まで、タスクリストを活用すればスムーズな事業運営が行えます。
コンサルティングが実施する利用者集めの施策を確認しましょう。福祉施設を開業するだけで利用者が集まるわけではなく、宣伝活動などを行い利用者を集めなければなりません。加えて、学校法人や相談支援事業所など、福祉事業に関連する施設や機関との連携の有無、また連携先事業の機関との種類も重要になります。
申請・業務マニュアルを提供しているのか、内容の充実度も踏まえて確認しておきます。福祉施設の開業における申請には、さまざまな書類作成が必要なうえ、消防法や建築基準法などに沿った建築物の確保、設備の整備などの業務にも対応しなければなりません。複雑な法令を理解し正確な書類作成、業務進行ができるマニュアルがあれば安心できます。
コンサルティングによっては、人材育成支援のマニュアルや研修制度もサポートしています。福祉事業では新規採用者から管理職まで、それぞれの業務内容や経験に応じた研修が必要です。法令に沿った新人研修マニュアル研修や管理職研修、マナー研修、リスクマネジメント研修などのサポートも確認しておきましょう。
2.業界に精通しているか
福祉施設の運営店舗が少ないコンサルだと、再現性について不安が残ることも。コンサルの福祉施設の経営店舗数や出店地域などで選ぶのもポイント。また、福祉業界で最も苦労されるのが人材採用と定着と考えてもよい。「人」の問題を拭うには有識者の知見が求められるため、このノウハウを保持しているかも判断基準となる。
参考:hhttps://miraix.jp/kaigyou/interview/interview-03/
3.デメリットも説明してくれるか
日本の人口推移や障害者人口統計、収支の内訳などのメリットばかりアピールしてくるコンサルティングには注意が必要です。福祉施設はスムーズに開業し上手く運営できれば、自分が現場に介入せずとも安定収益を得られる可能性があります。
ただし、障害福祉サービスの供給が地域のニーズに対して過剰にならないよう、総量規制の仕組みが設けられていたり、障害者総合支援法は3年ごとに制度の見直しが行われたりするため、対応に迫られることもあります。
また、中には、大手フランチャイズのような請求システムがない場合もあります。これらのデメリットの説明があり、尚且つデメリットにどう対応してくれるかを確認しておきましょう。
4.すぐに融資の話をもちかけてくるときは要注意
事業主が資金調達に困っていることを察して、すぐに融資の話をもちかけてくるコンサルティングには注意しましょう。過去には、資金に困った事業主に対し、政策金融公庫や銀行の融資を強制的に押し付ける事例がありました。
戦略的な資金調達は必須ですが、無計画な融資により事業運営が難しくなることも少なくありません。
福祉施設の開業コンサル「ミライクス開業」のご紹介
ミライクス開業では、放課後等デイサービス・障害者グループホーム・就労継続支援B型を中心に、福祉施設の開業を目指す経営者様を支援しています。スムーズに開業することはもちろん、開業後の効率的な経営やお客様に支持される施設運営にまつわる有益な知識・ノウハウをお届けします。
ミライクス開業は、以下のようなシステムやサポートを提供しています。
集合研修型では、福祉事業の全体像、立地戦略、人材登用のコツ、指定申請書類の作り方、加算申請の進め方、差別化につながる運動療法、人材・幹部育成などについて4回の講義を行い、お申し込みから約6ヶ月で開業を目指します。オンライン(Zoom等)での参加もでき、後日、録画データをお送りすることも可能です。
ほかにも、質問し放題のコミュニティチャットや行政書士との接続、開業特典のお祝いとしてのホームページ作成など、さまざまな手法で開業・運営の課題解決に努めます。自身で手続きされる場合も、講師が実際に使っている書類等を用いて書類作成をサポートいたします。
また、弊社では、前述したコンサルならではのデメリットや対策などについても丁寧に説明するように心がけ、他の福祉施設経営者との繋がりも大切にしています。
*ホームページの制作には弊社指定の保守運用プランへの加入が必須です。
*開業マスタープランを契約された際は保守運用プランを1年間無料としております。
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執筆者
ミライクス運営事務局