事業を運営する
2021.2.18
2023.2.28
福祉事業の開業後、経営につまずく人の特徴とは

いざ福祉事業を開業したのはいいが、なかなかうまく軌道に乗せられない…。
そういった経営者の方の悩みを抱える経営者も少なくありません。
今回は福祉事業の開業後に、経営者がつまずきやすいポイントについて一つずつ解説していきます。
目次
失敗パターン1:有資格者の離職が多い
福祉事業では、その事業を運営するにあたって必要な有資格者を一定数配置することが定められているケースが多いです。
放課後等デイサービスとグループホームにおける配置基準は以下の通りです。
児童指導員・保育士または障害福祉サービス経験者を10:2以上で、児童指導員または保育士を半数以上配置する必要がある。
サービス管理責任者を1名以上配置。利用者が30名を超えて30またはその端数を増すごとに1人を加えた数以上を配置する必要がある。
このように、施設ごとで必要な有資格者の種類も人数も異なります。
福祉事業を運営するにあたっては、上記のように資格者を一定数配置しなければなりません。
もしも開業後に資格者が辞めてしまったら、その際は大きな減算対象となってしまいます。さらに、必要な定員が埋まらない状態が2〜3ヶ月継続してしまうと、場合によってはその店舗での施設運営が不可能になってしまうケースもあります。
施設運営者として、まずは雇用した人材にしっかりと定着してもらう環境を整えることを第一に考えることが重要です。
そして、もしも離職してしまった場合は、迅速に新しい有資格者を確保するための採用の動きを加速させるようにしましょう。
※人材を定着させるためのポイントに関しては、こちらの記事をご覧ください
失敗パターン2:3年に1度の法改正に対応できていない
福祉事業に関しては、3年に1度法改正が行われます。
この法改正では、社会情勢などに合わせて報酬改定や加算の見直しが行われるケースが非常に多いです。
実際に、2021年の4月からも報酬改定が行われる予定があります。
※令和3年度 報酬改定の詳細についてはこちらの記事をご覧ください
以前の記事でもお話をしましたが、この法改正によって、今までの報酬自体が大きく見直されるケースは珍しくありません。
この法改正に対して、施設運営者は敏感にアンテナを張る必要があります。
情報収集を怠ってしまうと、今までどおりの施設運営をしていても報酬が下がってしまったり、いつのまにか基準を満たせていなかったり…。といったことも起こりうるのです。
例えば、直近の令和3年度の法改正を例に挙げてみます。
今回の法改正では、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、今後は有事の際でも施設運営を継続させることができるかという部分が重要視されることになりました。
支援の継続を見据えた運営基準を今後設けるなどといった動きがある中、その情報をキャッチできていなければ、継続的支援に対する措置ができていない施設として認識され、報酬加算の対象とされない恐れもあります。
法改正はもちろんのこと、福祉に関わること、そして社会情勢に関しては常にアンテナを張って、時代の流れや状況に合わせた施設運営を実践していってください。
失敗パターン3:FCやコンサルティングへの費用の増大
3つ目に良くみられるケースが、キャッシュフロー部分での課題です。
福祉事業の場合、良くも悪くも店舗あたりの月商と月利にある程度の上限があるというふうに認識しておいた方が良いです。
そして上限があるにもかかわらず、毎月FCやコンサルティングに多額の費用を払っている状況をつくってしまうと、自社としての取り分が気づけば少なくなっていた。というケースは少なくありません。
福祉事業に関しては、そもそもビジネスモデルの再現性がありますので、定期コンサルをつけなくても、すでに事業に成功しているメンバーや知見のあるメンバーと情報交換することで十分コツは掴めるはずです。
実際に開業した人の意見を参考にし、運営のコツを教わることができれば、コンサル費用を一気に節約することができます。
つまずくポイントを把握し、事業運営を成功させましょう
以上3点が、開業後に抱えやすい課題となります。
つまずくポイントを整理していくと、
- 離職を防ぐための対策を行うこと
- 法改正や社会情勢に常にアンテナを張ること
- 福祉事業の成功者のビジネスモデルを把握すること
これらを特に意識して実践することが、事業運営において非常に大切だといえます。
せっかく開業に至っても、施設運営がうまく回らなければ意味がありません。
実際に開業した経営者の方々がつまずきやすい点は以上の通りですので、これから開業される方は、これらの課題点について対策を考えておくことをお勧めします。